体で感じる静的応答と動的応答 -直観力学のススメ-

門型ラーメンの模型により、動的荷重と静的荷重を考えてみたい:
写真左から順に...
写真a:静止状態(鉛直荷重のみ作用)
写真b:振動中(手で揺らしている⇒動的応答)
写真c:静的荷重(頂部を指で押している⇒静止状態)

まずは、動的応答と静的応答を整理する:
● 動的応答 dynamic response:荷重や変位が時間的に変化し、慣性力が発生する。
● 静的応答 static response:変位の時間的な変化(速度、加速度)がなく、静止している。

(左から)写真aは、頭部に錘(質点)を2個搭載し静止している。写真bは、基部架台を手動で振動させている。この場合、部材頂部の質点に加速度αが作用し、慣性力-mαが生じている(すなわち、動的に応答している)。
一方、写真cは、静的に水平荷重を作用させ、構造系が釣合っている状態(静的応答)である。
ここでは、写真c(静止状態)は、写真b(振動中)の最大振幅(最大層間変形角)と同一になるように押している。したがって、動的応答bと静的応答cは力学的に等価である。すなわち、変形、層間変位、断面力(曲げモーメント、せん断力etc.)などが同一になっている。
このことは、写真cのような(等価な)静的荷重が、慣性力である地震荷重に代替できることを示唆するものである。この場合、「指で押している荷重=地震荷重」のように考えることができる。

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投稿日時 2026-06-06 09:48:33

投稿:吉川弘道(東京都市大学 名誉教授、工学博士)