八郎潟
(秋田県 男鹿半島)

 日本らしい農村風景と日本らしからぬダイナミックな自然が共存するこの光景は、秋田県男鹿半島の付け根に位置する八郎潟。もとは日本で2番目の広さを誇る広大
な湿地であったが、第二次大戦終結後、食料不足を解消すべく、八郎潟を干拓する計画が持ち上がった。
 実際の作業は干拓大国であるオランダの技術協力のもと、1957年に着工。大潟村を設営して67年にようやく入植を始め、すべてが完成したのは77年、実に20年に及ぶ一大干拓事業となった。
 ちなみに八郎潟というこのユニークな名前は、男鹿半島で生まれた「八郎太郎」という名の青年が、ある日、龍に姿を変え、この地に棲んだという奇妙な伝説に由来している。

【出典】佐藤健寿著『SATELLITE(サテライト)』(朝日新聞出版刊)
http://www.amazon.co.jp/dp/402331420X/

投稿日時 2019-08-25 22:56:00

投稿:朝日新聞出版 書籍編集部