天竜川橋梁 ~活線で桁高を1/3に改造した橋~ (長野県)

☆天竜川橋梁 ~活線で桁高を1/3に改造した橋~ (長野県)
 千代~天竜峡間は1932年(昭和7年)に飯田線の前身の一つ、三信鉄道により開通しましたが、泰阜ダムの建設に伴い水位上昇が予見された為、トラス中間に橋脚を新設、桁高を1/3にして桁下高を確保する改造を、供用しながら施工するという難工事の末、今の姿になりました。
 飯田線中部天竜~天竜峡間は、三信鉄道への東邦電力・天竜川電力の参画や佐久間ダム建設に伴う大規模なルート変更等、ダム・水力発電との関わりの大きい路線ですが、この橋にも影響が及んでおり、2格目の下弦材を貫通する斜材や継ぎ足された起点方橋脚、端柱外側に張り出た横構等に改造の痕跡が残っています。
 土木学会田中賞を受賞した天龍峡大橋に桁下歩道が併設され、紅葉狩りだけでなく撮り鉄スポットとしても人気を博していますが、その先には名勝天龍峡を周遊できる遊歩道も整備され、改造を担当した松尾橋梁の銘板と並んで、開通時の三信鉄道の名も刻まれた銘板も見えました。

・竣工:1932年(昭和7年) 川崎車輌㈱
・改造:1948年(昭和23年)松尾橋梁㈱
・構造:上路2径間連続ワーレントラス橋+上路プレートガーダー橋

参考文献
歴史的鋼橋一覧<長野>「天竜川橋梁」
http://library.jsce.or.jp/jscelib/committee/2003/bridge/T5-131.htm

#BridgeTrek

投稿日時 2021-12-13 20:15:00

投稿:伊藤 純