世界最大級の地下河川:首都圏外郭放水路
(埼玉県東部地区)

 国土交通省 首都圏外郭放水路は,埼玉県東部 国道16号線直下,地下50メートルに建設された巨大地下河川で,延長6.3kmに及ぶ.これまで,中川・綾瀬川流域では幾度なく浸水被害(内水氾濫)を被ってきたが,この放水路は,その水害の軽減に大きな役割を発揮する.
 この施設は,洪水の流入施設,地下調圧水槽,地下水路、排水機場等で構成されるが,多くが鉄筋コンクリート製の巨大構造物となる.
 写真1:これは,高さ18m, 幅78m,長さ177mの調圧水槽であり,貯水施設(巨大プール)としても機能する.その内空間の威容は,古代ギリシャのパルテノン神殿を彷彿させ、21世紀に再現された地下神殿とも比喩される.
 写真2:各立坑と調圧水槽を結ぶトンネルで,流域の中小河川から流れ込んだ洪水の地下水路となる.内径10m,距離6.3kmの巨大トンネルはシールド工法によって建設され、一次復工となるRCセグメントが画像からも判断できる.

【資料/画像提供】国土交通省 関東地方整備局 江戸川河川事務所
https://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/gaikaku/index.html
#土木の秘密

投稿日時 2019-05-06 23:02:00

投稿:吉川 弘道