大開駅の崩壊 -兵庫県南部地震の直撃を受けた地下構造物-

 神戸高速鉄道東西線(1968年開業)は、1995年1月17日兵庫県南部地震の直撃を受け、震度7を記録した大開駅は甚大な地震被害を受けた。被災した軌道階(延長120m)は、いずれも鉄筋コンクリート製の箱型ラーメン構造(ボックスカルバート)であり、類例を見ない甚大な被害を受けた。
 被災調査は、縦断方向に(高速長田駅から新開地駅に向かって)、ゾーンA(1層構造,80m)、ゾーンB (2層構造,20m)、CゾーンC(1層構造,20m)により区分されている。写真1のスケッチは、各ゾーンの代表的な被災状況(中柱10、中柱20、中柱31)を示している。

・ゾーンA:3区間のうち損傷がもっとも激しく、ほとんどの中柱は崩壊し、上床スラブ(上床版)が崩落した。上床スラブ(800mm厚)は、中柱9付近でも最も沈下し、設計空間4.02mに対して、中柱9で1.15m、中柱10で1.72m、であり、最大3m近く落下している。
・ゾーンB:ゾーンAと同様の被災状況であったが、上床スラブの落下量が少ない。
・ゾーンC:中柱の脚部の損傷が特徴的であるが、上床の沈下は数cm程度であった。
【参照文献】:
・神戸高速鉄道東西線 大開駅災害復旧の記録:佐藤工業、平成9年1月
・兵庫県南部地震による神戸高速鉄道・大開駅の被害とその要因分析(著者:矢的照夫氏他5名)、土木学会論文集 1996年4月

 これまで安全とされていた地下構造物の崩壊は、国内外の地震学者や設計エンジニアに大きな衝撃を与えたが、被災経験とその後の復旧は、地下構造物の耐震設計の進展に大きく寄与している。

【写真資料提供:佐藤工業】

投稿日時 2019-03-19 22:34:12

投稿:yoshikawa hiromichi

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