シビックデザインの源流がここにある~建築家・山口文象とモダニズムが漂う黒部川第二発電所・目黒橋~(富山県黒部市)

黒部川第二発電所は、黒部渓谷鉄道の猫又駅付近にあり、真白い4階建て鉄筋コンクリート構造の建物は、建築家・山口文象が黒部峡谷の景観との調和を図って設計したものである。
目黒橋は、黒部川を横断して発電所に進入する鉄道橋で、近代日本では2例しかないフィーレンディール橋のひとつで、発電所との対比が見事な歴史的構造物である。目黒橋は発電所建物の直線的なデザインとは対照的な角を曲線としたデザインとなっている。
山口文象は、関東大震災の内務省復興局で東京の清洲橋や数寄屋橋などの「装飾設計」を手掛けており、今日でいう「シビックデザイン」の源流がここにある。
〇黒部川第二発電所
所有:日本電力株式会社→日本発送電株式会社→関西電力株式会社
着工:昭和8(1933)年~運用開始:昭和11(1936)年
認可最大出力:7万2千kW、最大使用水量:47.20m3/S
有効落差:177.02m、水車:立軸フランシス水車×3台
導水路:総延長6598.7m(導水路圧力トンネル口径4.80m)
取水:黒部川小屋平ダム(着手:昭和8(1933)年~竣工:昭和11(1936)年)
〇目黒橋:形式:フィーレンディール、橋長:75m、完成:昭和9(1934)年
【参考文献等】
水力発電所ギャラリー関西電力黒部川第二発電所-水力ドットコム
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/kuro2/kuro2.html
建築家山口文象(+RIA)アーカイブズ:制作・伊達美徳‎
https://sites.google.com/site/dateyg/bunzo-archives-1/1936kurobe
小屋平ダム: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
【写真】平成30年8月投稿者が撮影

投稿日時 2018-12-22 17:51:00

投稿:佐藤祐明