☆★☆国道1号を跨ぐアーチ橋「響橋」☆★☆

 神奈川県横浜市の響橋(ひびきはし)は、関東大震災の復興後、横浜、東京、川崎の膨張と京浜工業地帯の発展により、第一京浜国道(現国道15号)の交通量が激増し限界に達したため、第二京浜国道(現国道1号)の建設が1936(昭和11)年10月に着工された。
 響橋は、第二京浜国道建設に伴い分断される水道道の陸橋として計画された。
 一方で1936(昭和11)に第12回オリンピックの東京開催が正式に決定し、マラソンコースの折り返し地点にある響橋の存在が重要視された。このため、内務省は著名な建築家の今井兼次氏に設計を依頼した。その後、日中戦争の拡大に伴い東京オリンピックは返上されたが、響橋の工事は続行され、1941(昭和16)年3月に竣工した。
 構造は開腹アーチで、単一面のヴォールト面に鉛直材として隔壁を立ち上げ路面を支えているコンクリートアーチ橋である。
 意匠は、モールディングを施してアーチを強調したアーチリングと上床版底部に連続するヴォールトが相まって軽快なデザインとなっている。また、隔壁にはスリットを、アーチの内輪にもリブを入れてコンクリートの重量感を軽減し、直線でデザインされた高欄や親柱とともに、全体に軽快かつ陰影に富んだ繊細なデザインを実現している。
形式:鉄筋コンクリートアーチ橋(L=48m、アーチ部の高さ約13m)
*** By Hiroaki Satou***
【写真】令和5年12月16日投稿者撮影
#ぶらりインフラ探訪記
#関東大震災100年
【参考】
土木学会関東支部 悠悠・土木 / 土木遺産 / 響橋
https://www.jsce.or.jp/branch/kanto/04_isan/h28/h28_2.html
土木学会推奨土木遺産(H28年度認定(2016))
横浜市認定歴史的建造物指定
かながわの橋100選

投稿日時 2023-12-17 13:27:37

投稿:佐藤祐明