近代工学の静と動:
長大斜張橋と豪華客船の対峙

 世界を周遊する英国の豪華客船Queen Elizabeth(総トン数99,000トン, 長さ294m)が、横浜ベイブリッジを通過して横浜港に入港し、大さん橋国際客船ターミナルに停泊した(2014年3月17日)。掲載画像は、ベイブリッジ中央支間の直下をぎりぎりで通過した瞬間の画像である。【画像提供 林直樹氏】
 橋桁下面が満潮時の海面より約55mであるのに対して、Queen Elizabethは高さが56.6mもある。このため、当日深夜の干潮時を狙って、僅か1~2mのクリアランスで橋桁直下をくぐり抜けた。
【参考記事:YAHOO! The PAGE】
https://news.yahoo.co.jp/articles/9bf1af097da5eb8a10fb07a3868a37fa134009c7
 客船Queen Elizabethと斜張橋横浜ベイブリッジのルーツは、船舶工学と橋梁工学に分かれるが、所定の構造スペック(構造性能)を満足する構造物(Engineering Structure)であることは共通している。世界最大級の豪華客船と中央スパン460mの長大斜張橋は、ともに近代工学の先端技術を凝縮した傑作ではあるが、‘静と動’に分かれて邂逅した一時でもある。

投稿日時 2016-09-08 23:45:00

投稿:吉川弘道