斜張橋の競演:鶴見つばさ橋 vs. 横浜ベイブリッジ
(首都高速湾岸線)

首都高速湾岸線に連なる鶴見つばさ橋と横浜ベイブリッジは、ともに主塔高さが200mに迫る斜張橋として、湾岸エリアに競演するが如くその雄姿を誇示している。この2橋は、同規模の斜張橋(つばさ橋の方が若干大きい)ではあるが異なる構造形式を採り、橋梁工学上対比すると興味深い。

鶴見つばさ橋の場合、主塔は逆Y型、ケーブルはファン形17段一面吊りであり、一方、横浜ベイブリッジはH型主塔からファン形11段二面吊りとなっている。さらに、車両を直接受け持つ主桁については、鶴見つばさ橋は鋼床版箱桁を採用し、横浜ベイブリッジは鋼床版+トラス形式ダブルデッキとなっている。専門家によれば、前者の閉合型箱桁はヨーロッパ方式で耐風安全性に優れかつスレンダーな印象を与え、後者のトラス桁は米国方式であり重厚な趣となる。

横浜ベイブリッジは2層構造(上層/首都高速,下層/一般道)となっていることも大きな特徴であるが、2つの斜張橋の競演は、文字通り、最先端橋梁工学の生きた教材となる。

・Zoom In Doboku http://www.srm-bcp.com/zoomin/zoomin03.html

投稿日時 2019-04-02 13:10:00

投稿:吉川 弘道